2024年 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3 Tsuchinshan-ATLAS) を撮る
これで見納めか、、、 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) 昨日に引き続いて快晴に恵まれる、、、と思ったら、あっという間に雲が押し寄せた 強風が吹き荒れない代わりに、透明度の低い天候だった。これは危ないな、と思っていたら案の定雲が押し寄せてきた このときの紫金山・アトラス彗星の高度は17.6度。光度は5.3等とずいぶん暗く、街明かりの中では眼視で見つけることは至難となった。繰り返し試写をして、場所を突き止める。赤道儀で恒星追尾しているので、一度見つけたら雲があっても見失うことはない 町の光害の中で彗星を追いかけた。いろいろ反省点があるが、それを生かすチャンスが果たしてやってくるのだろうか ハレー彗星(1P/Halley)は2023年12月9日に遠日点を過ぎて太陽への帰路についた。次の太陽への最接近は2061年7月28日。生きて目にすることができないことが実に悲しい ---------------------------------------------------- 35mm、ISO800、f1.4、4秒、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、金生山 SONY α7M4 + FE 35mm F1.4 GM 2024年10月21日19時17分 |
月出までのわずかな時間に撮る 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) 1日中吹き荒れた強風は、この秋初めての寒気をもたらした この晩の天文薄明は18時36分。月出は18時59分で、星空と紫金山・アトラス彗星を一緒に撮影する時間は正味20分しかない。月齢は17.3で下弦を前にした月明かりは強烈。悪いことに次々と雲が押し寄せてくる 紫金山・アトラス彗星は日に日に高度を上げて、このとき21.9度。光度は4.8等で街明かりの中で肉眼で見ることは困難となった 天気予報によると明後日以降の天候は悪いらしい。はたしてどうか ---------------------------------------------------- 35mm、ISO1000、f1.4、4秒、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、金生山 SONY α7M4 + FE 35mm F1.4 GM 2024年10月20日18時46分 |
長大な尾に心奪われる 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) これだけ長大な彗星の尾を見るのは久し振りだ。もちろん肉眼で観察できる彗星。ご近所さんも含めて並んで一緒に彗星を観察した誰もが感嘆の声を上げた。彗星の尾はへび座にまで達している このときの彗星の光度は2.7等。地上からの高度は3.550° 稜線に沈む彗星を最後まで追いかけられないことは残念という他はない。西方が地平線・水平線まで開けたところがあればと、無い物ねだり 閑話休題 はたして 85/1.4 GMⅡ を星空撮影で使うことがあるかなぁと、先日書いた気がする。あっさりと前言撤回。実に優秀なレンズで、箒星撮影にフル稼働中 (*^_^*) ---------------------------------------------------- 85mm、ISO800、f1.4、1秒、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはon、三脚で固定撮影、金生山 SONY α7RM5 + FE 85mm F1.4 GMⅡ 2024年10月14日18時50分 |
---------------------------------------------------- 85mm、ISO1600、f1.4、1/4秒、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、三脚で固定撮影、金生山 SONY α7RM5 + FE 85mm F1.4 GMⅡ 2024年10月13日18時19分 |
箒星 工場夜景の上に輝く 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) ■■ 写経して見えたり春の箒星 和田悟朗 ■■ 以前にも紹介した科学者で俳人の和田悟朗の句。写経はおろか読経もしない不信心な自分だが、太陽を周回して無事に彗星と再見できたことは神仏に感謝するしかないと思えるほど。アイソン彗星の彗星核の崩壊直前を撮影したことが思い出されたが、日没後の西天で輝く姿は神々しささえ感じる 計算上は昨日の夕方から姿を現すものと期待されたが、たなびく雲が邪魔をしてわずか5分間だけ姿を見せた昨夕だった。澄んだ空気に覆われて、彗星が山際に沈むまで光り続けた 暗順応が進んだ肉眼では十分目視することができ、その美しさに心を奪われた 環境光が明るい中で肉眼で観察することは難しいだろうが、スマートフォンを固定して長秒時露光すると意外と写っていることも多い。ぜひ挑戦してみてほしい 不順な天候に泣いたこの夏・秋だったが、たった1日の好天ですべてチャラにしてもいいと思える、秋の夜だった 順次写真を追加の予定 ---------------------------------------------------- 85mm、ISO800、f1.4、1/2秒、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、三脚で固定撮影、金生山 SONY α7RM5 + FE 85mm F1.4 GMⅡ 2024年10月13日18時22分 |
--------------------------------- 以下は近日点通過前の C/2023 A3 ---------------------------------
箒星 暁天に輝く 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) 待てど暮らせど、澄んだ秋の空は訪れない 昼間の気温は33℃ 延々と夏の延長戦が続いている気がする 話題のツーチンシャン・アトラス彗星。予想ではマイナス等級にまで増光すると期待されたが、東天ではどうも3~4等級がいいところらしい。明日以降は天候が悪そうなので、早朝の東天で撮れるのもこの日が最後 刻々と明るくなっていく東天を睨んでも彗星は肉眼ではかすりもしない。双眼鏡が必須だろうが、予め星図からしし座の1等星レグルスと彗星の位置関係を確かめておいたので、レンズを向ける目安とする 地平に平行に雲がたなびいていたので、これはダメかもしれないと思いながらも撮影を続ける。画像確認は後作業に委ねることと覚悟を決める。赤道儀のセットでは天候に苦しんだ。北極星が雲に隠れたり、北極星が見えたと思ったら、今度はこぐま座δ星が雲に隠れたり、ケフェウス座51番星も雲から見え隠れと、実にやっかいな天候だった それでも赤道儀は1㎏+1.8㎏のカウンターウエイトでバランスをとっているので、正確に恒星を追尾する。テスト撮影でも問題なさそうだ 一番上の写真は濃尾平野の街明かりと、左にシルエットの金華山 もう少したなびく雲が細かったら、金華山と近い位置で撮れたはず、などと贅沢を言ってはバチが当たる 恒星追尾しているので地上風景は流れている 次は10/13以降、日没後の西天。残念ながらここからは西天は見られない 徐々に高度が上がっていくので残照からは少しずつ遠ざかることになる。ただし彗星は日に日に暗くなる うーん、なかなかやっかいだ ---------------------------------------------------- 100mm、ISO800、f4.5、8秒、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀(Vixen AP)で恒星追尾撮影、池田山山麓 SONY α7RM5 + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 2024年10月02日05時00分 |